家づくりノウハウ

蓄電池は趣味

家づくりノウハウ

太陽光発電でつくった電気を蓄電池に溜めて、夜間に使用する。

これで太陽光発電の電気だけで、家の電気を全て賄う。

完全にエコな住宅の完成です。

予算を度外視すれば・・・。

今回は、そんな蓄電池の話をしたいと思います。

蓄電池の価格

蓄電池の価格

パナソニックの価格を参考にします。

メーカー希望小売価格の半額にすれば、末端の購入価格になります。

一番大きい11.2kWhで180万円くらいですね。

蓄電池の撤去費用

蓄電池にも撤去費用が掛かります。

現時点でも捨てるのに15万円程度かかるようです。

もちろん、撤去の際の電気工事、処理工場までの運搬費なども余計に掛かります。

一般家庭の消費電力

オール電化の家庭の1日の電気消費量は22kWh

東京電力では、オール電化家庭の平均電気使用量は年間7,920kWh程度と言われています。

年間7,920kWhということは、1日あたり22kWhという計算になります。

家の電気を全て賄うために必要な蓄電池の容量は?

必ずしも、22kWhのサイズの蓄電池は必要ありません。

日中は太陽光発電の電気をそのまま使用すれば良いのです。

太陽が沈んでから、蓄電池の電気を使います。

一般的に日中に使用する電気は1日のうち30%程度と言われています。

よって、蓄電池に必要な容量は家で消費する電力の70%程度となります。

家の電気を全て賄うために必要な蓄電池の容量は15kWhとなります。

蓄電池15kWhっていくら?

パナソニックの蓄電池でいうと、定価ベースで600万円程度ですね。

リアルな販売価格は、概ね300万円でしょう。

太陽光発電の倍くらいの値段がしますね。

太陽光発電と蓄電池だけで生活は贅沢な暮らし

一年を通して、電気の使い方は一定ではない

皆さん、過ごしやすい気温の春や秋は、自宅でエアコンはつけていますでしょうか。

エアコンはつけずに、窓を開けて過ごしているのではないでしょうか。

夏はエアコンで冷房をつけていますよね。

冬はエアコンで暖房をつけたり、床暖房をつけたりしていますよね。

季節によって、使用する電力のピークが異なります。

太陽の動きは決まっている

太陽の日照時間は、毎年、だいたい決まっています。

太陽の日照時間は夏は長く、冬は短くなります。

問題は冬ですね。

日照時間は短くなるのに、暖房で使う電力はたくさん必要とします。

製品の経年劣化

太陽光パネルの発電量は年々、経年劣化により発電量が低下していきます。

蓄電池で蓄積できる電力量も、年々減少していきます。

過剰な設備投資にならざるを得ない

発電量の低い冬に、大量の電気を蓄積するためには、大きな太陽光パネルを設置しないといけません。

年劣化も考慮すると、さらに大きなものを初期に設置しておかなければなりません。

ただ、そうすると、あまり電気を消費しない月々において、設備が無駄になってしまいます。

宝のもち腐れです。

結果的に、太陽光発電と蓄電池だけで、家の電気を全て賄うというのは、過剰な設備投資にならざるを得ません。

まさに、贅沢の極みです。

寿命はそれぞれ違う

そして、太陽光発電と蓄電池の寿命は同じタイミングに来るわけではないですよね。

仮に先に蓄電池の寿命が来たとしましょう。

その時点では、太陽光パネルは発電する状態だったので、蓄電池を買い換えたとします。

今度は、太陽光パネルの寿命がきてしまったら、どうなるでしょうか。

蓄電池に溜める電気は電力会社から買うしかありません。

複数の設備の相乗効果というのは、全く同じライフサイクルでなければ、その効果は薄くなってしまいます。

太陽光発電と蓄電池の相乗効果は、期間限定の話です。

じゃあ、小さめの蓄電池なら・・・

蓄電池のメリットを最大限に活かせる

容量の小さい蓄電池であれば、昼間に蓄積した電気は、夜間にて完全に自家消費できるでしょう。

蓄電池のメリットをMAXに享受できます。

5kWhの蓄電池で、どれくらいのメリットか?

例えばですが、5kWhの蓄電池を考えた時に、どれくらいのメリットが出るでしょうか。

シンプルに「太陽光発電で5kWhの電気を蓄積し、それを夜間に使い切る」という生活を想定しましょう。

1日あたり5kWhの節電効果、1年あたり1,825kWhの節電効果です。

現在の電気代を仮に36円/kWhとしたと仮定すると、1年間で65,700円の節電効果です。

ちょっと待って、雨の日もあります

ここで考慮しないといけないのは、雨の日は発電量が下がって、MAXに蓄電されない日もあるということです。

一般的に、1年間に雨の日は50日程度とされています。

よって、蓄電池に電気を溜めることのできる日は315日程度になってしまいます。

現在の電気代を仮に36円/kWhとしたと仮定して、雨の日も考慮すると、1年間で55,000円の節電効果です。

設置費用+撤去費用 > 節電効果

結論から言うと、撤去費用を考慮すれば、マイナスになるでしょう。

・蓄電池 5kWh

・設置費用 85万円

・撤去費用 35万円(取り外し、運搬、処理費用)

・節電効果 82.5万円(1年間55,000の15年間)

・節電効果 110万円(1年間55,000の20年間)

蓄電池に20年間という寿命があれば、採算が取れる可能性が出てきそうですが、それでも、まだ10万円ほど足りないです。

蓄電池の経年劣化を考慮せずに、上記の計算結果です。

蓄電池のコスパは悪いと言わざるを得ません。

おひさまエコキュートの登場

私は「おひさまエコキュート」の出現により、蓄電池の必要性は半減したと思っています。

蓄電池と同じ効果を持つ

「おひさまエコキュート」なるものが登場しました。

昼間に太陽光パネルの発電した電気でお湯を沸かす仕組みです。

つまり、昼間に発電した電気をお湯に変えて、夜に持ち越すという蓄電の効果もあります。

新しい電力プランが用意されている

さらに「おひさまエコキュート」専用の電気料金プランに変更できます。

東京電力であれば「くらし上手 S/L/X」で「30円/kWh」になります。

「スタンダードプラン」だと「40円/kWh」ですから、めちゃくちゃお得です。

ちょっと、お高い・・・

ただ、今は「おひさまエコキュート」はちょっと価格が高いみたいで、もう少し待ったほうがいいかもしれませんね。

深夜電力も、まだ、他の料金プランよりは安いですし。

あと、既存のエコキュートでも、昼間に追い焚きできる「ソーラーチャージ」という機能が備わっている製品もあります。

しばらくは、それでいきましょう。

政府のGXに乗っかりましょう

2023年7月28日の政府発表によれば、GX(グリーントランスフォーメーション)として10年間で150兆円もの税金を脱炭素事業に投入するようです。

「太陽光発電+蓄電池で家の電気を全て賄う」はまさにGXですから、政府の後押しも期待できます。

私はこの政府方針を支持していませんが、乗っかるつもりです。

現時点において、蓄電池は採算が合いませんが、将来的には「アリ」になるかもしれません。

そうなった時には、蓄電池の導入を検討したいと思います。

GXによる蓄電池の技術革新と、政府による莫大な蓄電池補助金に期待しましょう。

公式LINE

蓄電池1つを取ってもこれだけの情報量

いかがでしたでしょうか。

「蓄電池はロマン設備です」

一言で片付けることは簡単ですが、その背景にはこれだけの情報があるのです。

蓄電池に経済的なメリットはないと言って良いでしょう。

災害対策は専用のグッズを用意して対策すれば良い

蓄電池を導入するメリットは「災害対策にある」と言う人がいます。

それも簡単に否定できます。

災害時、蓄電池はなくても何とかなります。

災害用トイレ、ロウソク、ガスコンロ、水、非常食さえ備蓄しておけば、1週間程度は生き抜くことができます。

スマホの充電なら、乾電池式の充電器というものが販売されています。

災害時に生き残ることだけを考えるなら、太陽光発電も、蓄電池も、必要はありません。

災害対策は、それくらいで十分でしょう。

一生に1回あるかないかの事態のために、蓄電池は過剰な対策と言わざるを得ません。

太陽光発電も蓄電池も、断熱性能・気密性能に優先順位は劣る

冬でも暖房がいらないくらい高断熱・高気密の家なら、災害時も安心ですよね。

床暖房なんかに頼らなくても、昼間の太陽の光だけで夜まで温かい家をつくりましょう。

太平洋側の6〜7地域なら、そんな家づくりが可能です。

太陽光発電や蓄電池に200万円かける前に、高断熱・高気密に200万円かけましょう。

その方がよっぽど電気代も節約できます。

いつでも公式LINEからご相談をお受けします

どんな設備を家に導入するか、新築時には必ず検討しないといけません。

ただ、何が本当に必要なのか、何が優先順位が上なのか、ハウスメーカーの営業マンは教えてくれません。

彼らは契約できることが全てです。

自分の家に何が必要なのかは、施主が自ら勉強して、決めていくしかありません。

でも、自分で決めるには、あまりにも「家づくりの情報が多い」と感じています。

私も2年くらい情報収集して、ようやく全て理解できたかな、ってレベルです。

もしよければ「家はじへ相談」からご連絡をお待ちしています。